2012年6月8日金曜日

スケルトン定借事業の実例(塚口CH:5)


スケルトン定借のメリット・デメリット

 最後にスケルトン定借のメリット・デメリットをまとめてご説明させていただきます。



8つメリットを掲げさせて頂きました。


皆様が割と混乱されているのが
①自己資金ゼロでのマンション経営と
②事業リスクを確実に軽減できる、
というこの2つです。
これは定借事業のメリットであって、つくば方式である必要は全然ないわけです。
定借事業であれば、この2つのメリットは発生します。


つくば方式独自のメリットは次の3つです。
③収益率を上げる複合化が可能、
④相続対策として有効。
この④に関しては、賃貸マンション経営が親不孝経営であると言われているのに対して、こちらは親孝行経営になります。
そして、
⑤確実に土地を存続できる。
これは土地の返還が確実であるということです。
この3つはスケルトン定借のメリットだと思います。


もっと本質的には、
⑥区分所有権の限界を超えるスキム
であって、
⑦良好な都市ストックの形成に繋がる
ということがあります。

地主にとって一体どこがメリットなのかと思われるかもしれませんが、良好な管理水準にマンションが維持されることは良好な都市ストックの集積になるので、建物が建っている周辺の環境が良くなり土地の値打ちが上がるのです。
もしそれが、将来スラム化するような建物であれば、その周辺の土地の評価は引きずられて下がってしまう。
RC建築物の様に堅牢な建物は、その維持管理状況の周辺に及ぼす影響が甚大です。
ですから、持っている土地の利用として、良好な管理水準に建物を維持することは、将来における他の土地利用に対してもプラスに働くということです。


 最後に⑧小規模で好立地の敷地の事業化に適しています。
スケルトン定借はコーポラティブと必ずしも不可分ではありませんが、コーポラティブの良いところは小さくてもできるということです。
30戸も40戸も必要なくて10戸程度で良いのです。3戸4戸でも十分事業化できるところにその特徴があります。


 例えば駅前の便利な場所、そこに住宅があれば住みたと思うような場所、従来であれば賃貸マンションが建てられていたような場所であれば、そんなに大きくなくても十分に事業化は可能です。
特にこんなご時世ですから、従来ならば当然賃貸マンション経営されていたであろう地主さんが、今は事業に対して後ろ向きになられている。
人口が減ってくる、若年層が減ってくる、ワンルームなんか要らないようになると言われ、土地利用に消極的になられている中で、このスケルトン定借は基本的に地代収入を原資としていますから、収益が落ちることはありません。
借地人が出ていく時には必ず売って出て行かれるのですから、必ず誰かが地代を入れてくれます。
なおかつ地主による資本投下が要らない。
自己資金はゼロです。
借入金ベースの事業にならないので、地主さんにとっては大変安心感のある事業だと思います。
特にデベロッパーが事業化できない小規模の立地においては、コーポラティブの良さが生きてくるのではないかと思います。


デメリットにつきましては、先程も言いましたが、スキムが複雑で、募集時の説明が非常に困難だということです。
しかしながら、説明の仕方を考えて、ちゃんと聞いてもらえるだけの時間が取れて、その人の耳に届けることができれば、逆にこれはオンリーワンの選択になり得るのではないかと思います。


塚口に入居された方は、他にも山のように分譲マンションが出てきても目移りされませんでした。
というのは、この話に納得して参加された方は、他に選ぶ選択肢がないからです。
そういう意味では、これだけ供給過剰だと言われている関西においても、全く競争相手のないこの事業は、今までは売りにくいという一面はあったと思いますが、こういうことをきっちり伝えていくことが出来れば、絶対的価値を持つ商品として市場を獲得するのではないか。そういう事業手法ではないかと思っています。


デメリットのもう1つに、コーポラティブ方式の事業運営にはそれ相応のノウハウが必要だということがあります。
しかし、何度も言いますが、コーポラティブであることはスケルトン定借にとって必要条件ではありません。
一般定借事業をやられる位であれば、この方式を取り入れてされる方が社会的な意義もあるし、地主さんにとっても意味あることではないかと感じています。


ここでご紹介させていただいた塚口の例は、私自身これまでやってきた事業の中でも非常にいい事業だと感じています。
ただ非常に複雑なスキムで、その良さも多岐にわたっていますので、なかなかご説明しきれない部分もあったかと思います。
もし、この事業にご興味ある方がいらしゃいましたら、私の能力の許す限りご説明させていただきます。
また具体的な案件等がありましたら、ご相談を受けさせて頂きますので、ご遠慮なくお声掛けください。どうぞよろしくお願い申しあげます。


スケルトン定借住宅を中心とした新しい住宅によるまちづくりを支援していくことを目的として、1998年7月6日に「スケルトン定借普及センター」が設立されています。
http://www.skeleton.gr.jp/

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