ご都合がつくようであれば、是非ご参加ください。
フォーラムの企画主旨は以下の通りです。
1995年1月17日午前5時46分に襲った阪神淡路大震災は、様々な教訓をもたらしました。
震災で亡くなった6,434名の魂に報いるためにも、生き残った我々には震災の教訓を活かしていく義務と責任があると考えています。
建築に関連し、震災後、構造をはじめとする建築基準法の改正が様々になされ、より、安心で安全なまちづくりに向けた動きが具体化しましたが、震災によって顕在化し、未だ決定的な解決方法が見つかっていない問題の一つに、集合住宅における区分所有者間の合意形成の難しさがあります。被災マンションの復興の過程において、集合住宅の区分所有者は実質的に運命共同体であり、合意形成が得られなければ、建替えはおろか、補修するにしても、管理組合として具体的な行動が一切行えないという課題が明らかになりました。
マンション建替え円滑化法等が整備されたものの、最終的にある一定以上の多数決で建て替えを進める手段が法制化されたにすぎず、多数決で決が取れない中途半端な状況に対して合意形成の道筋がつけられたわけではありません。多数決で決が取れない中途半端な状況に陥りやすい必然はそのままで、その状況を回避する道筋は、未だ見つかっていません。
持続可能性を合意形成に依存する宿命をいかに乗り越えるかは、日本の集合住宅が持続可能性を獲得する事ができるかどうかの鍵となっています。
阪神淡路大震災後も、日本全国で大量の分譲マンションが供給されたにもかかわらず、そこには合意形成の難しさに対する震災の教訓は全く生かされておらず、日本の集合住宅は、未だ持続可能性を獲得するには至っていないと言わざるを得ません。近年急増している超高層マンションにおいては、課題は一層深刻です。
震災後、様々な形で、この、集合住宅の持つ宿命を乗り越える取り組みがなされてきました。それらは、まだ、日本全体の住宅供給の市場規模からすれば、本当に小さな動きでしかありません。しかし、そこで始まった取り組みは、今後一般化する事により、日本の集合住宅が持続可能性を獲得する事に繋がるかもしれません。
本フォーラムでは、日本の集合住宅の持つ宿命を乗り越える事を目指して今まで試行してきた取り組みの紹介と、それらの取り組みを踏まえて、現在、地域の協力を得て、神戸市北野町山本通重要伝統的建造物群保存地区内で進められている具体的事業の報告を行い、見学会を開催します。
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