2012年12月20日木曜日

巽和夫先生を偲んで

2012年11月6日、京都大学名誉教授の巽和夫先生がお亡くなりになりました。
巽先生はスケルトン・インフィル型集合住宅や2段階供給方式を提唱されてきた方で、2005年には下記対談を させて頂きました。この対談が、宇多野コーポラティブハウスや、1000年住宅のコンセプトを考える上で、大きなヒントとなりました。
謹んでお悔やみ申し上げます。


特集・まちづくりの今後を考える - 新春特別座談会 -

2005年新春 特別座談会

日本を代表し世界に誇る町・京都。千二百年余りの歴史・文化の蓄積と独自の町並みが織りなす「京都ブランド」が人々を魅了する。その重要な構成要素である 「町家」を中心にした景観が、マンションなど高層建築によって急速に喪失しようとしている。地域経済との折り合いを付けながらそれをいかに保全するべき か。町家をはじめ住宅研究に造詣の深い京都大学名誉教授の巽和夫氏と、京都らしい住宅供給を続ける一方、町家再生にも取り組むデベロッパー、ゼロ・コーポ レーション社長の金城一守氏、関西でのコーポラティブハウス第一人者である都市コーディネーター、キューブ社長の天宅毅氏の三氏が、京都町家保全のあり方 を通してこれからの都市に何が求められるのか話し合った


出席者
・ 巽  和夫氏(京都大学名誉教授)
・ 金城 一守氏(ゼロ・コーポレーション社長)
・ 天宅  毅氏(キューブ社長)


京都ブーム

景観破壊に危機感
(巽)持続性あるマンションを
(天宅)


――最近メディアでは京都特集を組む番組や雑誌が増加し、一種の『京都ブーム』再来の様相を呈しています。その背景には京都の風情、あるいは『京都らしさ』を再評価する動きがあるようですが、この『らしさ』をいかに保全していくべきでしょうか。

(巽) 「おっしゃる通り、確かに『京都らしさ』を評価する動きは強まってきているようです。経済は安定成長路線に大きく転換し、その中で歴史・文化に裏 打ちされた京都の価値を見つめ直すという気運が盛り上がってきたことがその要因かもしれません。実際、そうした気運を受けて町家や町並み保全の動きが強 まっているのも事実。古い町家を再生・利用したり建物を『町家風』にしたりする例が増えています」「しかし一方ではマンションがずいぶん建ち、このままで は『京都(の町並み)が壊れていく』との危機感も高まった。適法建築でも建ってしまえば景観は明らかに壊れる。そして町並みに愛着を持つ住民との間で紛争 も絶えない。日本建築学会もこの現状を憂い、特別委員会を設置、対処に向けた方策(京都の都市景観の再生に関する提言=座談会・気になる言葉①参照)を取 りまとめ、市長にも提言しています」


―市側も景観保全に向けた条例やルール化による規制(京都都心部の新建築ルール、昨年四月施行=座談会・気になる言葉②参照)に踏み切った。

(巽) 「東西が河原町通りから堀川通、南北が主に五条通から御池通に囲まれた中心市街地に限っての適応で、その区域が饅頭の中身(餡)に例えられて『餡 子の規制』と呼ばれている。本来は市街地全域を対象とすべきですが、京都らしさを急速に保全するため(経済面で開発されやすい)中心市街地を対象にした」 「市にはジレンマがあるわけです。経済の活性化を図るには建築活動をある程度自由にして投資を呼び込んだ方がいいという考え方が根強い一方で、『京都らし さ』が残っているからこそ価値があるという考え方がある。まさに両極です。この狭間の中で身動きが取れず、その間にマンションが林立するようになった。今 回のルール化で市は、やっとこうした流れから転換する姿勢を打ち出した」

(天宅) 「阪神大震災で倒壊したマンションの再建に携わったが、その際、マンションが内包している『あやふやさ』を痛感した。多くの壊れたマンションの 再建が困難をきたしたようにマンションは日本の社会システムや居住環境にまだ十分なじんでいないということです」「西洋のように、ほとんど地震がないとこ ろでは、建築物は半永久的に存続する。その前提の中でマンションという居住形態が確立され、何の問題もなく住み続けてこれた。しかし、地震国・日本では同 様の前提は確立し得ないし、歴史的にも居住用の高層建築は造られてこなかった。にもかかわらずマンションはわりと簡単に受け入れられてきた。しかし、地震 で壊れたらお手上げ状態。未だマンションは日本の風土に合った持続性を獲得するに至っていないと思います」


――京都ではマンションは向かない。

(天宅) 「一概にはそうとも言い切れません。ただマンションを巡る紛争が多い理由は京都の歴史の集積に求められるのではないでしょうか。都市として千二 百年以上も持続的に活性する町というのは、それを可能にする仕組みが明らかに完成している」「町家はそれぞれが時代に非常に柔軟に対応しながら一つひとつ 更新を繰り返し全体として京都の町並みが形成されてきた。持続的に変化する仕組みが内蔵されているわけです。これに対して区分所有マンションの歴史は四十 年そこそこ。ハードで柔軟性にかける、すなわち持続性という観点からすると完成度の低い異物(=マンション)が突然現れるのだから、住民の抵抗感や危機感 は当然高いでしょう」「しかし持続性を持った計画、長期的に循環できる仕組みを持ったマンションであれば受け入れられるのではないか。そう考えて以前、御 所西のマンション事業コンペで『スケルトン定借』方式(座談会・気になる言葉③参照)によるマンション計画を提案したことがあります。尼崎・塚口で関西第 一号案件(二〇〇〇年竣工)を手掛けた経験から、この手法には持続性具体化への考えが凝縮されていると実感したからです」

(金城) 「二階建ての町家に住み景観に慣れ親しんできた住民におって、いきなり十階建ての大きな壁(マンション)が出現すれば『これはなんやねん』とな るのは当然です(笑)。逆に業者にとっては低層地域に適法にランドマークを建てられるわけですから、事業循環がすこぶるいい。」「独のケルン大聖堂は六百 年かけて建築し続け、市のランドマークとして景観に溶け込んでいる。しかし川向こうは都市計画上、高度利用が許されており超高層ビルの建築ラッシュ。これ で激しい景観論争が起こっているそうです。海外でもそうですし、(景観保全への)規制も日本よりずっと厳しい。日本ももう少し行政が関与してもいいと思い ます」

(天宅) 「その意味では私権制限を伴う新建築ルールの施行は画期的な試みだと評価できます」

(金城) 「京都は何と言ってもやはり町家でしょう。僕自身もいい町家には魅入れられる。住宅団地開発を手掛けているが、付近にいい町家があればそれを景 観形成に活用したり、思い切って所有し再生したりしてきました。町家の風情をつぶすのは忍びない」「十年ほど前に当時の助役の北里敏明さんが行政として町 家の再生に取り組まれた。その際、市民団体などと町家を研究するワーキンググループ『北里会』を立ち上げ、僕もそのメンバーに招かれたのですが、市民団体 や建築士会などとともに市の予算で町家の実態調査をしました。それまで町家の保存は僕を含め細々と続けられてきたが、やはり行政が動くと大きい。それを きっかけに町家の人気が高まり、一気に保全の気運が高まったのですから」

(巽) 「金城さんがおっしゃる通り、町家は京都を代表する建築物であり、かつ風景でもあります。その意味でも、行政が積極的に調査に乗り出したのは画期 的だった。これで町家を見つめ直す気運が高まり、住宅行政のあり方を含め都市づくりのあり方を(行政が)再考するきっかけにもなったし、古いものを再生 し、活用するという動きは京都だけでなく、あちこちでも広がるようになりましたから」


制限の是非

地域が独自政策を(金城) 実情に根ざす建築誘導も(巽)
―― ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は明治の日本の各都市を見て、それぞれの都市の表情がすべて違い、しかも美しいことに感嘆したそうです。江戸期の諸藩が 半ば独立しており、各地域の実情ごとに行政や都市計画を行ったためで、同様に地域の独自性の発揮は現在の都市づくりを進めるうえでも改めて考える必要があ るのではないでしょうか。
 

 (金城) 「その通りで、やはり地域がもう少し独自の政策を打ち出すべきでしょう。戸建開発の最前線にいる者の感覚として、今はどの業者が建てても似たよ うな住宅ばかりになり、これが増えていくと町や都市が持つ独自の『らしさ』はいずれ喪失するのではと感じています」「当社では、①耐震性が高い②維持管理 がきちんとできる仕組みの投入③丈夫で長持ちする耐久性の高い住宅④高齢化対応―といった(主に住宅性能表示制度=座談会・気になる言葉④参照=に対応し た)いくつかの項目を満たす住宅づくりを限られたコストの範囲内で行っている。程度の差こそあれ他社でも同様でしょう。例えば外壁を通気層のある二重構造 にする際、壁材は窒素系のものが良いということになり、結局どの業者も採用する。似たような住宅になるわけです。」「しかし京都独自のアイデンティティを 主張するのであれば、こうした技術上の流れにも『待った』を掛けないと。業者は常に競争しているのだから、住宅建築にも行政がなんらかの指針を示さなけれ ば、業者は動くわけありません」


――そうなれば全国一律の建築基準法のあり方も考えなければなりません。

(巽) 「地域の実情にあった建築を誘導できる内容を盛り込むことも一つの方策かも知れません。日本の住宅はかつて、今日のように材料が豊富ではなかった から、木と紙と瓦で造られていた。しかしそれでも地域性は色濃く出たわけです」「それぞれの地域に産する材料を使って、それぞれの土地の条件にあった構造 物とすることで、自ずと住宅と町のスタイルができあがる。その意味で、京都の『こだわり住宅』を一斉に造るといったコンセンサスが形成されれば、いずれ京 都らしさが面として表出される住宅づくりができるのではと楽観しています」

(金城) 「いっそのこと、京都全体を美観地区に指定したらどうか。例えば、屋根は瓦葺に統一しなければならないとか、庇を一定以上張り出させる、あるい は窓でも外から見えるところにはアルミではなく木を使えとかです。保全を真剣に考えるのであれば、こうした指導や規制は今後現実になるのではないかと思っ ています」

(巽) 「瓦一つとってもその種類・形態は土地土地によってまさに千差万別。今は違うがかつての家づくりには『頭(こうべ)八貫』という考えがあった。台 風被害を防ぐため屋根を重くする。高地では安芸瓦を使うが、重いかわりに一枚一枚が小さい。屋根葺き作業を効率化するためと、仮に風で飛ばされても小さい 方が葺き替えやすいし、風の吹く方向がだいたい決まっているから、風の流れやすい向きに葺く」「産地ごとの土で焼き、産地ごとの葺き方もあり、自ずと地域 の表情、風合いが出るわけです。京都全体を美観地区に指定するのは僕も賛成だが、そこには京都の歴史や伝統・文化が自然とにじみ出てくるような配慮、そし てそれによって全体の美観が形成されるという考え方も盛り込まなければならないでしょう」

経済との整合
全国同一ゆえに再評価(天宅) 保全・創造へ"不条理"さも(金城)

――町家の保全や再生を考えるうえで、経済性との折り合いをどうつけるか。


(天宅) 「京都は長い歴史の中でたびたび震災や大火にもあっている。しかしその都度、町として再生している事実に着目すれば、やはり『循環型』のまちづ くりの仕組みができていたといえるでしょう。これを繰り返して一千年超も都会であり続けた。町家のように一つひとつ独立して完結しているものであれば例え 倒壊してもすぐに修復できる。しかしマンションはそうはいかない」「かつて日本の都市が一つひとつ魅力を持ちえたのは、『そこで取れる土が安いからそこの 瓦を使う』といった土地ごとの経済原理が働き、都市それぞれの独自性を醸成することにつながったと考えられるのではないでしょうか。しかし今は流通経路が 格段に広がり、建材も高品質で安価なものが供給され、どこでも同じものが手に入り、結局同じ住宅ができあがる。全国一律なんです」「しかしそれが逆に『京 都らしさ』が再評価される要因になっているのではないか。京都しかないものに商品価値が見だされ始めている。高度経済成長の過程では新しく生み出されるも のに価値が見出されたが、成熟経済の下では、歴史性や物語性が経済価値を生み出す。京都が発信する商品やモノは、『京都ブランド』が強いものほど価値が高 まるのではないでしょうか。すると、さらに『らしさ』を求める動きが広まり、それが自ずと『京都づくり』につながる。好循環が現出されるわけです。今はそ の過渡期では」


――住宅産業・住宅市場に携わるプレイヤーはこれをどう捉えるべきか。

(金城) 「住宅市場で『京都らしさ』を残し新たに創るには、やはり行政の関与が必要でしょう。例えそれが業界にとって"不条理"な規制であってもです」

(天宅) 「おっしゃる通り"不条理さ"を強制できるのは公(行政)しかない。新建築ルールはまさに"不条理"そのもので、そこに土地を持っている人に とっては、仮に高層建築を建てれば高く売れたかもしれないのに、規制を受けることで土地の評価が実際にも下がっている。明らかに私権の制限です。しかし、 そこに踏み込んだことは評価に値する。それによって新しい価値=『歴史性が生み出す経済価値』が発露すると思っているからです」「開発者側にとって"不条 理さ"は、実はあまり大きな意味を持たない。プレイヤーにとって重要なことは『同じ土俵』(同一の競争条件)に上がるという点にあります。同じ条件が規制 によって整えられるのであれば、対等に勝負ができ不利にはならない」「逆にプレイヤーが最も嫌がるのは『抜け駆け』です。これまで違法建築が絶えなかった のは、その方が質は悪いが安くて広い商品が供給できたからです。だから抜け駆けする業者が多かった。競走上、同一条件ではなかったのです」

(金城) 「京都では今、違法建築は皆無です。行政が抜け駆けをさせない規制、つまり中間検査を徹底させたためです。検査を通らないと融資が付かない。現 状では開発条件のいい土地の仕入れ価格は一種のバブル状態だが、中間検査をきちんとやれば、たとえ地価が上がっても(最終価格を抑えるための手抜きなど) 違法建築はでてこない。これは非常にいいことです」

(天宅) 抜け駆け業者にとっては、文字通り"不条理"だったのでは(笑い)しかし、それで経済効果が落ちたのか。むしろ上がったのではないでしょうか。規制によって合法な建築物で勝負できる環境、つまり『同じ土俵』ができたに過ぎないからです」


――消費者からすればそれは至極当たり前。

(天宅) 「そうです。現在生きるものにとって、歴史はまさに"不条理"なものです。皆が共有できる価値観に基づいた"不条理"があっても構わないわけ で、その代わり抜け駆けを防止する強制力がきちんと働くようにする。そのうえで金城さんがおっしゃったように、建物の意匠面にも条件を付けるような規制を 行う。そこまで踏み込めば効果はテキ面に出てくる。そうなれば、先程過渡期であると申し上げた『京都らしさが価値を高める好循環』につながることでしょ う」

総括
大局的な"ポリシー"を(巽) 新しい"ミクロ"も必要(金城) "京都づくり"好循環へ(天宅)

――町並み保全などを進めるうえで、行政の関わり方を改めて考える必要があるといえそうです。


(天宅) 「日本では私権の制限は、なにか聖域に踏み込むような雰囲気がある。日本の行政の一種の特徴ですね。景観形成一つとっても西欧では行政が非常に 大きな強権を発動しています。例えば伊では窓枠を替えるだけでも審議会を通さなければならないし、私権が尊重される仏でも町並み維持への公権力が強い。社 会主義国よりも社会主義国らしいといわれる日本では私権は野放図。ここに日本の町並みが雑多になる原因があるのではないでしょうか」「近代以前の日本は、 本当に美しかったのではないかと思います。清潔感も高く、統一感もあり、意匠的にも完成度が高い。文明開化前の京都は、感動するほど美しかったんでは(笑 い)」

(金城) 「行政や首長自体が、まちづくりに対する認識が不足しているように思うし、私権についても何か勘違いしているのではないかと思います」

(巽) 「先述しましたが、まちづくりは強制だけではなく、材料も技量もそこにあるものを使って行われてきた。だからこそ自然に調和が生まれる。そして同 じことを繰り返すことで洗練もされてくる。それが近代化以降、鉄やガラスやコンクリートなど新しい材料が一気に広まり、建築家もまた新しい試みに取り組も うとする。古いものを顧みなかった。これが混乱のもとです」「現実には今後も材料は豊富になるし、工法も次々に新しいものが生まれる。この流れは止められ ないし、それが現実である以上、それを許容しながらも、『この町をこうしていくんだ』という確固たるポリシーをもってまちづくりにあたるべき。それがな かった。ない以上混乱するのは当たり前でしょう」「その意味で行政の怠慢は確かにあったと思う。京都市のような自治体では市長、助役のトップ三人のうち、 少なくても一人はまちづくりの専門家であるべき。空間を計画しデザインしコントロールする担当のトップがいるべきなのです。僕の後輩が新潟市長を三期努め たが、その彼があるシンポジウムでしみじみ話していました。『建築や都市計画を専攻した市長がでてくれば(日本の)都市はもっと良くなる』と」

(天宅) 「日本はもともと美意識の高い国だったんですが…」

(金城) 「戦後の混乱から高度成長の中で、どうもそれを忘れ去った(笑い)」

(巽) 「それは『ミクロの美意識』だったんじゃないか。材料や工法に制約がある中で、それを精一杯使い『ミクロ』を積み重ねて美しいものを創ってきた。 ところが現代では(材料や工法が多様化しすぎて)ミクロを積み重ねても、雑多になるだけ(笑い)。ポリシーが欠如しているためです。マクロの視点でそのポ リシーを構築しなければならないが、しかしそこが弱い。(建築関連や都市計画上の私権制限の考え方などを包括する)法制度面でもそうです。」


――住宅の気密化を推し進めるあまり強制換気を建築基準法で義務付ける。まさに本末転倒。ポリシーのない法制度の典型です。

(巽) 「そうです。これでは換気機器メーカーだけが儲かる。いよいよ雑多になるわけです(笑い)」


――一方では、新しいミクロを積み重ねる試みも出てきました。

(金城) 「エネルギーの自給もそうでしょう。二月に地球温暖化防止の京都議定書が発行される予定ですが、住宅の環境性能の向上も考えていく必要がますま す高まってくる。その中で今最も有力だと考えているのが燃料電池(FuelCell=FC。燃料電池は座談会・気になる言葉⑤参照)。二酸化炭素 (CO2)をまったく排出せず、出るのは水だけ。エネルギー自給は電力市場の行方を考えると不可欠なものになると踏んでいる。価格もあと三、四年経てば一 基五十万程度のものが出るそうです。」「京セラが、発電効率四二、三%のもの燃料電池を開発しているらしく、その話を聞いたときは思わず『ウソやろ』と驚 いた(笑い)が、それだけ進んできたということです」「当社では今『まちなか未来住宅』造っている。次世代のシステムをどんどん取り入れた実験住宅で、京 都のまちなかでどんな住宅ができるのかを考えるためのいわば先行投資です。そこに燃料電池も試そうと。京セラの話はその研究の過程で聞いたものです。とに かくおもしろい時代が来そうです。こうした点も踏まえながら京都のまちづくりを考えていくべきではないでしょうか」

(巽) 「住み手(のニーズ)も多様化し、町家に住みたいという人も増えてきている。しかし、冬は冷えるし、町家が必ずしも住みやすいというわけではな い。でもニーズが増えているということは、性能が高く快適で便利であればいいという住宅に対する一方向だけの価値観には満足できない人が増えている証明で しょう。多少住みにくくても、京都の中でそして町家に住みたい。少々の不便も楽しむ。そうしたニーズが確かに広がっている。」「最高の性能確保を目指して 住宅づくりを行う。しかし、どこも同じものができる。これは一種のグローバリズムであると言えようが、それに反するように古いものに価値を見いだす、京都 の価値を再評価する流れも確実に生み出されてきています」「従って、京都のまちづくりを語るときには、性能や、利便性だけを積み重ねるのではなく、そこに 育まれた歴史・文化の集積を考えなければならない。そのうえで、まちづくりの方向性やポリシーを構築し、その実現に必要だと思われるコントロールも併せて 行い、実践していく。行政も遠慮せず、本当のまちづくりのあり方を考えて、それを貫く姿勢が必要でしょう」

――長時間にわたり、ありがとうございました。


まちづくり座談会・気になる言葉


① 京都の都市景観の再生に関する提言


歴史都市・京都の景観は近代建造物の出現で破壊されつつある。京都の歴史的景観の美を後世に向けて継承していくために、九八年、日本建築学会が中心となっ て「都市景観特別研究委員会」を設置、四年間の調査研究をもとに報告書を提出した。その成果を踏まえて国をはじめ各方面に、①ナショナルプロジェクトとし ての京都の都市景観の創造的再生②京都らしい都市景観のデザイン原理の解明③都市景観を育む生活・文化の継承と教育④都市景観を支える技術の継承と開発⑤ 市民のイニシアティブを生かした都市景観デザインの推進⑥京都景観研究センターの設置⑦急速に進む景観・環境破壊―の提言を行い、その上で具体策を打ち出 した。


② 京都市都市部の新建築ルール

京都市では近年、共同住宅の建設による日照やプライバシー阻害などの居住環境問題やまちなみ景観の喪失など大きな問題が発生している。
これらの問題に対応するため京都市では学識経験者からなる「京都市都市部のまちなみ保全・再生に係る審議会」を発足、同審議会の提言をもとに具体化した同 市独自の新建築ルール案を作成、平成十五年四月一日から施行した。同ルール案の適応区域は京都市内の都市再生の先導地区である職住共存地区(四条通・烏丸 通・河原町通など東西三本、南北三本の幹線道路沿い街区)。主な内容は①特別用途地区の指定②美観地区の指定③新しい高度地区の指定―など三つの新ルール により規制強化することでマンション建設を抑制し、京都の伝統的な町並みを保全するのが狙いだ。中でも、職住共存地区を新たに美観第四種地区に指定し、高 さが十二mを超える建物(新築・模様替えなど)には承認が必要としたほか、新しい高度地区の適応で隣地の通風や採光条件を改善するため隣地斜線制限を採 用。通りの景観を整えるため建物の高さの最高限度について、道路に面する高さとセットバックした絶対高さを段階的にさだめる項目を盛り込んでいる。これに よってマンションを建設しても採算が取れないなど、結果的にマンション建設が排除されている。


③ スケルトン定借

定期借地権の一種である建物譲渡特約付き借地権を活用、集合住宅の一戸分を百年間の長期耐用が可能な基本構造のまま供給し、間取り・内装・設備など住戸内 部(インフィル)を入居者自身が自由設計できるスケルトン(骨組み)方式と定借メリットを活用。さらに全入居者が集まってから事業化するコーポラティブ方 式も融合させ地主の経営リスクも回避する。この三手法の組み合わせで住宅を低価格で供給する一方、良質なストック形成を促進する手法として開発された。九 六年に茨城県つくば市で第一号が完成したことから「つくば方式」と呼ばれる。最大の特徴は、全期間を六十年としたうえで、建物譲渡特約に基づいて借地期間 を三十年とし、借地期間終了時に地主が建物を買い取り残り期間を借地経営するか、そのまま借地として経営するか選択できるようにした点が挙げられる。さら に、従来の一般定借と違って借地期間満了時の土地返還に伴う建物取り壊しを前提としないので、保証金が不要。三十年以降、地主の建物買取価格と入居者家賃 を毎月相殺する契約を締結するため、借家に移行しても月々の賃料は通常の賃貸マンショより割安になるメリットがある。建物修繕や維持管理コストの地主・入 居者間での負担ルールの設定や入居者による自主的な維持管理の仕組みも内包、長期にわたって建物の資産性を保ち、マンションで問題化しやすいスラム化も防 ぐことができる。つまり、持続性のあるマンションづくりが可能になる。関西では二〇〇〇年に都市コーディネーター、キューブが尼崎市で初めて事業化した。


④ 住宅性能表示

二〇〇〇年四月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の三本柱の一つ。住宅性能表示制度は国指定の評価機関により、住宅性能評価 書の交付申請によって行われる。(交付は設計と設計段階の二種類)。幾世代にもわたって快適に利用できる住宅づくり、時代の要請である良質ストック形成の 促進が狙いで、法全体で欠陥住宅の防止やアフターサービスの充実、消費者保護を制度化した。国の定めた性能表示項目は①構造の安全②火災時の安全③劣化の 軽減④維持管理への配慮⑤温熱環境⑥空気環境⑦光・視環境⑧音環境⑨高齢者等の配慮―の九項目。これらが等級数値別に評価される。


⑤ 燃料電池

従来の石油依存の経済から脱却するため、わが国でも広い分野で新エネルギー開発の取り組みが本格化している。中でも水素をエネルギーとする燃料電池の発電 システムの研究開発が進み、一部では燃料電池自動車や家庭用の小型燃料電池として実用化されている。燃料電池は「水の電気分解」と逆の原理で水素と酸素を 化学反応させて、電気エネルギーを作り出す仕組み。その特徴は①化学反応によって電気エネルギーを作り出し直接変換できるため、燃料の熱エネルギーを利用 する火力発電と比較しても発電効率が高い②廃熱利用が可能③水素と酸素が反応して発電した結果、水素と二酸化炭素を放出するが、従来の電気・熱を利用した 場合の発熱量と比較しても少なく、環境汚染が心配ない④水と水素を供給し続ければ発電機として利用―などあげられる。燃料電池は新エネルギーとして経済産 業省が中心となってその開発・実用化のために計画を立てて、各研究機関を支援している。



「出席者プロフィール」


巽 和夫(たつみ・かずお)さん

1962年(昭和37年)京都大学大学院工学研究科博士課程を修了、68年に京大工学部教授。93年(平成5年)同名誉教授。旧建設省住宅宅地審議会委 員、(社)都市住宅学会会長などを歴任し、現兵庫県住宅審議会、京都市建築審査会会長。住宅・まちづくり研究の第一人者で、「町家型集合住宅」(学芸出版 社)など著書も多数。日本建築学会賞、建設大臣表彰など。29年、京都府生まれ。


金城 一守(かねしろ・かずもり)さん

1981年(昭和56年)京都市北区にゼロ・コーポレーションの前身、京都住宅販売を創設、96年(平成8年)現社名に。大手住宅メーカーなどが踏み入る ことのできなかった京都・まちなかでの新築住宅事業に着手する一方、都市型住宅やまちづくりの研究開発にも取り組む。99年狭小敷地を対象にした新建築工 法「ゼロ工法」で大臣認可を取得。2004年に意欲作「北大路まちなか住宅コラボレーション」でグッドデザイン賞を受賞。
神戸市生まれ、56歳


天宅 毅(あまやけ・たけし)さん

89-96年(平元―8年)にリクルートコスモスで企画・設計監理などに従事。90-91年に竹中工務店への出向を経て96年、キューブを設立。神戸大学工学部建築学科卒、神戸大学大学院工学研究科建築学科修了。日本建築家協会会員、スケルトン定借普及センター委員。
京都市生まれ、40歳。


ゼロ・コーポレーション

1981年(昭和56年)設立。本社は京都市北区紫野上野町。資本金は8,000万円で、社長は金城一守氏。前期(2004年3月期)連結決算で売上高 128億円、経常利益9億円。今期(05年3月期)は売上高130億円、経常利益9億円を見込む。主な事業は、まちづくり・市街地の再生・高品質住宅の供 給など。
従来の建売住宅とは違う感性で地域とのかかわりを重視した街並みデザインを建売住宅に取り入れ、市街地再生や新しいまちづくりを次々に提案。同社が手掛け た代表的な案件「北大路まちなか住宅コラボレーション」は8人の建築家が手を組み、京風町家をイメージした団地に仕上がった。

キューブ

1996年6月設立。本社は神戸市中央区北野町。社長は天宅毅氏。阪神・淡路大震災で被災した当事者(天宅氏)として携わった被災マンションの建て替え・ 再建事業をきっかけに、自らコーディネーターとしてコーポラティブ方式を軸とするコンサルティングおよび事業計画、設計監理をおこなう。代表作「塚口コー ポラティブハウス」事業では関西で初めて「スケルトン定借」(つくば方式)の手法を導入したことでも知られる。
神戸市長田東地区復興まちづくり型分譲住宅設計コンペで最優秀賞を受賞。京都市のゼロ・コーポレーションの「北大路まちなか住宅コラボレーション」プロジェクトにも参加。

2012年12月3日月曜日

鳥取西町コーポラティブハウスモデル事業について



キューブがバックアップしてきた、鳥取西町コーポラティブハウスモデル事業に関して、11月末に計画戸数5戸すべての完成にあたり、事業者主催の竣工式が下記日程で行われます。

日時:平成24年12月9日(日)9時~9時45分
場所:事業地内
内容:事業者あいさつ、市長あいさつ、モデル事業銘板の除幕式、記念撮影


本事業は完成して終わりではなく、これからがモデル事業としての真価が問われる所です。
モデル事業としての成功は、これをきっかけとして民間所有地の事業が1つでも成功してはじめて成功と言えます。
その為には、この事業をモデルとして、地主向けフォーラム等の開催が必要であると鳥取市に提案しています。
その際には、一般地主が本事業を行った場合のメリットの説明を中心にする必要があります。
本事業を進めるうえで、鳥取市はファイナンシャルプランナーに相談したりしていたようですので、その方達に分り易くメリットをプレゼンテーションしていただくようなフォーラムが良いのではないかと考えています。
ランニング収益だけでなく、相続効果等も加味すれば、駐車場経営との比較でも競争力を持ちうると思います。
出来る限り様々な形でマスコミ等に働きかけて今回の竣工式典等をニュースにしてもらうことで認知度を高め、フォーラムへの参加誘導ができればと考えています。

大都市圏ではスプロールした街が縮小に向かう動きがすでに活発になっておりますが、鳥取市のような地方都市は今でもドーナツ化が進んでいます。最も大きな理 由は、中心市街地の土地所有者が土地を手放すことを忌避し、土地の流動性が著しく低下している事にあります。土地を保有し続ける中で行われているメインの 土地活用方法が駐車場経営ですが、車通勤の郊外居住者の利用に供されることで需要は旺盛で、そのことがドーナツ化をさらに加速させる要因ともなっていま す。
インフラ整備を含む行政サービスは街がコンパクトであるほど効率的で、スプロールして広がる程に非効率になります。このようにドーナツ 化が加速する状況は地方行政の財政を圧迫し、長く続く社会・経済状況の悪さとも相まって、国土交通省は将来支えきれなくなるのではないかという非常に強い危機感 を持っています。そこで、県庁所在地の中でも最も危機的な状況である鳥取市でモデル事業を行うことになったわけです。

昭 和40年代に全市人口の2割を占めていた鳥取市の中心市街地の人口は、平成18年には6%にまで落ち込んでいます。また、特に近年袋川以北で住宅が解体さ れ月極め駐車場化しており、平成15年から平成19年までの4年間で、約2haも月極め駐車場が増加しています。唯一の中心市街地居住に向けた受け皿で あった中高層の分譲マンションは地元からの反発も強く、工事費上昇等により事業環境も著しく低下している為、中高層の分譲マンションとは異なる中心市街地 居住に向けた選択肢が期待されています。それを担うことが本モデル事業の目標でもあります。

このような状況は、実は日本中の地方都市で進んでいます。鳥取市で成功させることができれば、すべての地方都市における中心市街地活性化に向けたモデル事業として展開することができると期待されています。

http://www.tanaka-kougyou.jp/coope.html

 

2012年11月27日火曜日

宝塚寿楽荘コーポラティブハウス現場見学会を開催します

 
 
宝塚寿楽荘は、見事な石積擁壁や植栽などが施され、古くから邸宅街であったという往時の面影を今に残しています。
昨今、緑を伐採し石積擁壁を撤去して画一的な住宅地が分譲されていく中、今回のプロジェクトは石積擁壁や木々の緑を生かした庭園マンションとして計画しました(上写真が計画地現地です)。
アクセスは阪急今津線「宝塚南口駅」「逆瀬川駅」のどちらからも徒歩8分以内。
学校区である宝塚第一小学校にも近く、坂の多いこの地域において稀有な、穏やかなフラットアクセスです。
 
 
 
建物はバリアフリー設計の3階建て。寿楽荘ならではの、緑豊かでゆとりある全体計画です。
宅配ロッカーが設置されたエントランスに オートロック採用。
総戸数に対し100%の台数分確保された地下屋内駐車場から、
雨の日も傘をささずに直接エレベーターで各住戸にアクセスすることができます。
 
先日の建設組合集会で「ペイサージュ宝塚寿楽荘」という正式名称に決定。
来春の竣工に向けて工事は順調に進んでおります。
施工は、安藤忠雄建築研究所が設計する住宅の多くを手掛け、
コーポラティブハウスの施工実績も多く、施工品質・技術力の高さに定評がある、「まこと建設」。
セコム・セキュリティーシステムを導入し、共用部に監視カメラを設置することになりました。



最終1住戸の参加者を募集しております。

この度、下記要領で現場見学会を開催することになりました。
この機会に、是非現場で素晴らしい眺望・住環境をご確認ください。

<現場見学会>
日時:平成24年12月1日(土)午後1時~午後4時
             2日(日)午後1時~午後4時
場所:計画地現地 宝塚市寿楽荘2-29
    (現地に駐車場がありませんので、周辺の時間貸し駐車場をご利用ください)
現場説明会へのご予約・お問い合わせ:
株式会社キューブ 0120-669-517


募集住戸は、光あふれ、風とおる、南向三方開放住戸です。


専有面積91.1㎡  取得目安価格 4,361万円(税込)
全ての居室が外部に面した窓を持つ、独立性と開放性を兼ね備えた2階の住戸です。
お風呂や洗面室等水回りにも窓を設置。
建物が隣地境界から4m以上離れているので、明るく風通しのよい、開放性の高い住戸です。
主寝室のバルコニーから宝塚市内を一望できます。


南向きで三方開放なので、光あふれ、風通しの良い、明るく快適な住まいです。

LD 完成イメージ図

MBR 完成イメージ図

2012年7月27日金曜日

今までの取り組み(ル・パッサージュ北野)


現在、キューブは北野山本地区におけるコーポラティブハウスとしては第3弾となる、神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡの参加者募集を行っております( http://www.cube-3.co.jp/yamamoto2_top.htm )。
ここでは、神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡのすぐ近くで、昨年10月に竣工したコーポラティブハウス、ル・パッサージュ北野(プロジェクト名称:神戸北野・山本通コーポラティブハウス)の事業内容についてご紹介いたします。

アンビエンテ北野(プロジェクト名称:北野町コーポラティブハウス)の竣工に伴い、キューブのオフィスも神戸市中央区磯上通2丁目のワールド三宮ビルから現在地に移ってきました。
アンビエンテ北野を紹介する際にもご説明しましたが、北野・山本地区は地域活動が活発だと聞いておりましたので、新しい住宅開発事業に対する地域からの反発を懸念していたのですが、非常に好意的にコーポラティブハウスを受け入れていただきました。
http://cubecooperative.blogspot.jp/2012/07/blog-post_04.html
キューブは北野に移転以来、自治会活動等にも積極的に参加し、出来る限り地域との関わりを大事にするように努めてきましたが、地域の事を知れば知るほど、この地域の特殊性と魅力を実感しております。


この地域は異人館街のある観光地として、今や全国的に知られていますが、京都や奈良のように寺社仏閣のような具体的な観光対象があるわけではなく、観光資源は単なる住宅地です。単なる住宅地ですが、その住宅地の雰囲気がエキゾチックで魅力的なので観光地化しているにすぎません。そういう意味では、観光地化するほどに、魅力的な住宅地であると言えます。このように、住宅地の雰囲気が観光対象となっている観光地は、他にはほとんど無いのではないでしょうか。


この地域は明治の開港以来、外国人と共存する閑静な住宅地でしたが、約30数年前、NHKの朝の連続テレビ小説「風見鶏」の舞台となり、エキゾチックな地域の魅力が全国に知られたことで一気に観光地化しました。それから30年以上経過し、今では国内に留まらず、海外からも多くの観光客がこの地域を訪れています。


北野・山本地区は、地域の自治会と商業者組合、婦人会等からなる「北野・山本地区をまもりそだてる会」という組織を30年以上にわたり運営しています。
http://kitano-yamamoto.com/
当初は急増した観光客による観光被害対策を中心に活動していましたが、住宅地としての魅力、観光地としての魅力、商業地としての魅力等、地域の持つ様々な魅力をまもり育てる運動を継続して活発に行っています。
この組織が中心となって、毎年ゴールデンウィークに地域住民等のボランティアにより北野坂に大きな花絵を描く「インフィオラータ」の開催も継続10年を超え、今や地域の風物詩の一つとなっています。http://www.infiorata-kobe.net/


実際に地域の一員となって最も驚いたのが、これほど都心でありながら、まるで田舎のような地域コミュニティーが生きていることです。この地域には外国人居住者も多く、就労形態も多様ですが、お互いに差異を認め合い、共存する環境があたりまえのような価値観が共有されています。そのことが、大都心でありながら、今でも田舎のような地域コミュニティーを生かし続けているのかもしれません。


当地域が学校区であるこうべ小学校は、公立の小学校でありながら多くの国々の児童が集い、国際感覚にあふれ、地域との関わりも活発です。
こうべ小学校HP:http://www2.kobe-c.ed.jp/kob-es/index.php?page_id=0
こうべ小学校PTA:http://kobeepta.blogspot.jp/


様々な魅力的なショップや飲食店も多く、ミシュランに掲載されているレストランの数は徒歩圏内だけでも20店を超えます。


このような魅力的な地域で、アンビエンテ北野に続く、新たなコーポラティブハウスを企画したいと常々考えておりましたが、なかなかコーポラティブハウスに適した事業用地を見つけることができませんでした。そんな中で、山本通2丁目の商業地域で、わずか43坪の土地が売りに出されている情報を見つけました。敷地面積がわずか43坪とはいえ、商業地域なので許容容積率は400%と高く、商業地では容積率を消化する前提で土地評価される為に、低度利用では土地評価に見合った事業を構築することができません。従って、1戸建てにするには土地価格が高すぎ、ディベロッパーがマンション計画するには敷地面積が小さすぎ、従前は時間貸し駐車場として利用されていました。このように、住みたい人が多くいる魅力的な地域にありながら、一般的な事業手法では事業化が困難な状況でした。しかし、立地といい、規模といい、コーポラティブハウスにはピッタリと言える土地でした。



プランニングしてみると、各階に専有面積約70㎡の住戸がワンフロア1戸づつ積み重なり、最上階に約100㎡のメゾネット住戸の、計7戸の計画で、ほぼ許容容積率を消化できることが確認できました。この計画を元に事業計画を構築し、募集を開始することになりました。


募集は、キューブのホームページへの掲載( http://www.cube-3.co.jp/coopera_yamamoto.htm )と、周辺地域へのポストカードの配布のみで、全住戸参加者が確定しました。募集時の反響は大きく、予想していた以上に、この地域の居住ニーズの高いことがわかりました。
1フロア1住戸が基本なので、いずれの住戸も都心とは思えないぐらい、明るく風通しの良いすまいを実現することができました。




各階の窓を見ると、内部プランが様々であることがわかります。




窓が多く、開放性に溢れ、低層階でも明るい住まいが実現しました。




可動間仕切りなどで、間取りに可変性を与え、住み方の変化に対応できるようにしました。

中間階のメゾネット住戸

実際募集を開始してみると、より広い専有面積の住戸を求められる方々が少なくなく、一方より小さな専有面積の住戸を求められる方もおられました。そこで、中間階の一部屋を上下階で連結しメゾネットとすることで、85㎡程度の住戸や55㎡程度の住戸に変更し、具体的なニーズに対応しました。

この壁の向こうは、下階のメゾネット部屋


また、和室のニーズにも応えました。



オブジェのように、空間と一体的にデザインされたオーダーキッチン。


スピーカーやプロジェクター、スクリーンを実装した、シアタールームのある住まい。




都心居住を希望される方々の、様々な多様化したニーズに応えることができました。
このようなニーズは、まだまだ潜在的に存在すると感じております。
今回、あまり期間を開けることなく、新たに神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡの参加者募集をスタートすることができた事を、非常に喜んでおります。

http://www.cube-3.co.jp/yamamoto2_top.htm




















2012年7月17日火曜日

神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡの参加者募集を開始します



神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡの参加者募集を開始します。
(※現在は募集を終了しています。)

神戸市中央区の山の手に位置する北野・山本地区。異人館と呼ばれる明治期以降に建設された洋風住宅と和風住宅が坂のまちに混ざり合う独特な街並みは、国際都市神戸を象徴しています。 各線三宮駅や山陽新幹線新神戸駅から徒歩圏内という高い利便性と、六甲山麓の緑豊かで閑静な住環境を兼ね備える北野・山本地区は、全国的に見ても稀有な地域と言えます。
株式会社キューブは、これまでに神戸北野・山本地区に「アンビエンテ北野」「ル・パッサージュ北野」の2棟のコーポラティブハウスを実現しました。この度、神戸北野・山本地区にて新たなコーポラティブハウスプロジェクトが始動します。

様々な文化が混ざり合い、異国情緒に満ち溢れ、都心とは思えないほど緑豊かな自然が魅力の北野・山本地区界隈。
計画地は坂が多いこの地において、主要駅からほぼフラットアクセスで徒歩圏内の好立地。 南側には神戸の教会新生の要であるカトリック神戸中央教会が位置し、日当たりは良好です。


神戸中央カトリック教会


周辺には、閑静な住宅地の中にイタリア料理や、ロシア料理、インド料理、タイ料理など、様々な国の料理が楽しめる人気店が点在しています。徒歩圏内に、なんとミシュラン掲載店だけでも20店を超えてしまいます。北野坂に出ると、数多くのジャズライブハウス、カフェ、雑貨店などがあります。

また、コープやダイエー・ikari など普段の生活施設、大丸・そごうなどの大型百貨店や、市役所・区役所・県庁・郵便局といった公共施設、映画館や劇場などの娯楽施設、スポーツジムなど、数え挙げるときりがない程の生活利便施設が徒歩圏に完備されています。

当地域が学校区であるこうべ小学校は、公立の小学校でありながら、約27カ国の子供たちが同じ机を並べ、毎日が異文化交流。これからの日本が歩んでいくと思われる、多国籍な人々が身近にいる生活が子供のうちから身につけることができる、国際感覚あふれる教育環境も魅力です。

詳細は、下記ホームページで紹介しています。
http://www.cube-3.co.jp/yamamoto2_top.htm




「インフォメーションセンター」にて、物件説明会を、随時開催致します。
 いつでもどなたでも、お気軽にご来場下さい。
ご質問やご相談、何でも結構です。 ( 営業時間 : AM 9:00 ~ PM 6:00 )
フリーダイヤル:0120-669-517
会 場 : 神戸市中央区北野町1丁目5-25 アンビエンテ北野2F  株式会社キューブ

ライン

2012年7月14日土曜日

パッケージハウスの実例:3

絶景の家


神戸の山手、神仙寺通りの絶景の地で計画したパッケージハウス。
上の写真はリビングから南を見渡した、神戸の街の絶景です。
雛壇状の土地条件を生かして、中2階に玄関を設け、2階に高い天井高のリビングを配置、リビングから海を臨む絶景を楽しむことのできる住まいを実現しました。
既にご紹介した絶景の家の隣に建つパッケージハウスです。

左側の黒い家が以前ご紹介した住まい。
右側のアイボリーの家が、今日ご紹介する住まいです。




中2階に設けた玄関には、大きな木面の一部が開く、大きな玄関扉を配置。


玄関扉を開くと、2階リビングへと続く階段と、1階居室へと続く階段による、大きな空間が広がります。


玄関には、ちょっとした明り取り窓があることで、明るく演出。
薄く緑色の入った壁色で、清潔感を演出しています。


リビングへの扉を開けると、大空間を通じて神戸港を一望。
真白な内装で、明るく健康的な雰囲気を演出しています。


高い天井高のリビング。
ダウンライトで、空間をより大きく感じるように演出しています。


リビングのバルコニーからは瓦の波の向こうに神戸港が広がる絶景。



2.5階に配置した寝室にはロフトも設置。
使える空間をフルに活用しています。


落ち着いた雰囲気の和室。


既にご紹介した、もう一つの絶景の家とは、全く異なるテイストの住まいとなっていることがご確認いただけることと思います。
このように、キューブのパッケージハウスは、コーポラティブハウスと同様、住まれる方のライフスタイルや趣味・嗜好に応じた、オリジナルな住まいを実現します。


2012年7月13日金曜日

リノベーションについて:5

新しいリノベーションの手法として、定期借地権とコーポラティブ方式を取り入れた方式をご紹介いたします。この方式は、リノベーションを成功に導く鍵となる3つのポイントを劇的にクリアすることのできる、新しいリノベーション手法です。






老朽化したストックに資金投下するにしても、基本的にはオーナーが資金確保しなければなりません。しかし、耐震補強したり、現代のニーズに合わせる為にはかなり大きな資金が必要であり、投資対効果や社会状況の変化を考えると、なかなか踏み出すことが躊躇われます。


そこで、既存ストックに一旦定期借地権を設定し、コーポラティブ方式で分譲し、購入者が耐震補強を行い、個々のニーズに沿ってリノベーションを行う事業を提案します。
このようにすると、既存ストックのオーナーは資金負担をせずに、既存ストックの活用を行うことができます。
さらに、30年以上の期間を設けて譲渡特約付借地権を設定し、50年以上の期間を設けた一般定期借地権と併用すると、将来の権利保全に関しても安心です。
基本的には、中古ストックを活用したスケルトン定借のようなものです。








このようにすると、従前ストック所有者にリノベーション費用の負担がかかりません。
耐震補強を行うことで、優良なストックを長持ちさせることができます。
また、購入者が自らの希望に応じてリノベーションするわけですから、多様化する住宅ニーズに応えることができます。
コーポラティブ方式で先行募集を図るので、事業リスクが少なくてすみます。
定期借地権なので、空室リスクが無く、将来における時代の変化にも左右されません。
事業を進めるにあたり、解体コストがかからず、建設費も耐震補強およびリノベーション費用のみで済みます。
コスト負担が軽くなるため、大規模な改修を前提とした計画も可能となります。
既存ストックを活用するので、環境にも優しい事業です。


このように、オーナーニーズ、社会ニーズ、マーケットニーズすべてに応える事ができる事業ではないかと期待しています。








この方式に関しては、弊社で手掛けた事業ではありませんが東京で実例があります。
近代建築の巨匠:建築家武田五一氏が設計した、大正15年に建設された学生寮、求道学舎をリノベーションした事業です。




東京大学正門近くで建設され、創建当時はモダーンな外観で、最新設備を誇ったこの建物も、時代の流れの中で、若者のニーズに適合しない面も多くなり、平成11年に閉鎖されていました。
その後、当初は、既存建物を完全に取り壊して、新たな建築を作ることが検討されていました。
しかし、できることなら、建築的にも意義のある現存の建物を残したいというオーナーの気持ちが強まり、建物の保存再生を検討することになりました。
調査の結果、幸い建物のコンクリートの状態は驚異的とも言えるほど良好であり、80年近い時を経ても、頑強さを失っていませんでした。もちろん、一部には風化も見られましたが、総体では健全な部分が8割以上もあり、不良な部分を取り除き、新たに鉄筋・コンクリートを投入すれば、新築同様の強度を回復させることができることが確認できました。建物全体としての中性化についても、アルカリ性を回復する液剤を建物全体に含浸させることで、今後60年間、中性化の心配をしないで済むということも確認できました。





土地の権利は現在の土地所有者が持ち、 参加者は定期借地権にて共同(「準共有」といいます。)で借り受けます。参加者は建物を通常 のマンションと同様区分所有し、参加者で結成する建設組合にて耐震補強も含めてリノベーション(修復)します。つまり、「借りた土地」の上に「今ある建物」を ディベロッパーが介在することなく「参加者で再利用する」のです。


本事業では、各区分所有者は地主と60年後に譲渡特約付借地権により建物買取オプションのある期間62年の一般定期借地権契約を締結することになっています。
60年後、所定の金額で地主が各区分所有者から建物を買い取ることもでき、その場合、当該契約はそこで終了することになっています。その後、希望者に対して、地主様兼家主と相場家賃にて2年間の「定期借家契約」を結び、住み続けることができるオプション(ただし、更新なし)も用意されています。ここまで見てくると、この事業はスケルトン定借のスキームと非常に似通っている事に気付かされます。






このようにして、築80年のモダン建築がマンションとして甦りました。
このプロジェクトは大きな注目を集め、新聞でも紹介されました。
このプロジェクトによって実現された手法は、様々に応用することができると思います。
この手法を応用して、老朽化した既存ストックを優良ストックに生まれ変わらせていく事業も、積極的に取り組んでいきたいと考えています。













2012年7月12日木曜日

リノベーションについて:4

もう一つのリノベーション事例をご紹介いたします。
こちらは兵庫区永沢町に位置する、築年数を経た賃貸マンションの一室のリノベーションです。
専有面積約34㎡のこの部屋は、元々2DKでしたが、リノベーションする目的でスケルトン状態にした所で、このマンションを所有する工務店から相談を受けました。


今回も、周辺賃貸市場の調査を行いましたが、立地は異なるものの、おおむね前回のプロジェクトと同様の状況が確認できました。
そこで、同様のコンセプトに基づき、1LDKの計画を提案しました。
玄関が狭かったので、鏡を利用して、広く見えるように工夫しています。
また、水回りの扉は吊レールとしてデザイン性を演出するとともに枠をなくしてコストダウンを図りました。

メンテナンスコストを低減する為に、壁はAEP塗装、床はPタイルを基本とし、ベッドルームはタイルカーペットとしました。

1階住戸なので部屋の雰囲気が暗くなりがちなのに配慮して、白い内装を中心とすることで、明るく清潔感のある雰囲気の演出を心がけました。

ベッドルームのみ落ち着いた空間とするために、少しトーンを抑えた色彩のタイルカーペットとしています。

水回りの床も、すべて同じPタイルを貼っています。

浴室は在来浴室でしたが、ハーフユニットバスを使って将来のメンテナンス性向上に配慮しました。


キッチンも新設しましたが、従前の換気扇を活かしてフードのみ設置するようにしてコスト削減に努めました。











2012年7月11日水曜日

リノベーションについて:3

以上の内容を踏まえてリノベーションを行った賃貸マンションの実例を紹介します。


神戸は北野町にある昭和47年築のマンションの一室のリノベーションです。
このマンションが建設された当時、ファミリーニーズが旺盛で、主要な住宅ニーズはファミリー層でした。この住戸の専有面積は55㎡程度ですが、とにかく家族で住むことができるように、小さな個室に分割されていました。

長年所有者は分譲貸で賃貸経営をしてきましたが、クロスの貼り替えや、畳の入れ替えをする程度では、近年入居者が見つからなくなってきました。
そのような状況を踏まえて、入居していた賃貸人が解約になり、空室になっても手を入れず、入居希望者が現れた時点で全面リフォームをするように所有者は考えていましたが、半年経っても入居希望者があらわれず、弊社に相談に来られました。

北野町周辺は住宅地として人気があり、この物件が苦戦しているのは需要とのミスマッチにあると考えられました。
そこで周辺の賃貸不動産業者にヒアリング調査を行い、市場動向を踏まえ、1.投資対効果の極限化、2.持続的な相対的競争力の維持、3.メンテナンスコストの削減の観点からリノベーション提案を行いました。

賃貸市場分析をする中で、ターゲット像を新婚夫婦や単身者に絞り込むことにしました。

世帯人数の減少により部屋数志向からゆとり志向へとニーズが変化しています。
さらにエリア的に新築の競合物件が多く、同じような内容であれば築古物件は築浅物件に負けてしまい、築古物件間の価格競争に巻き込まれてしまいます。
また、ニーズが多様化する中で、最大公約数的なニーズに応えるのではなく、少数派ではあるが確実に存在する特定の強いニーズに直接応えることが持続的な相対的競争力を持つことにつながると考えました。

以上の事を踏まえて、下記内容の改修提案を行いました。

・インテリアへの関心の強い顧客にアピールできる改修を考えます。
・このマーケットは中古賃貸における空白領域となっています。
・新築物件と競争するのではなく、古い建物だからこそ活かせる雰囲気を重視して改修を行います。このような視点で改修された住戸は非常に少なく、強い競争力を持つことができます。
・具体的な想定ニーズに直接応えることを意識し、ニッチマーケットを確実に掴むことを目指します。
・広めの1LDK+Nとし、最低限の間仕切りで可変性を持たせます。
・ホテルのスイートルームライクなプランニングを行い、充実した収納により、すっきりとした住み方ができるように配慮します。
・古くなっていたキッチンと浴室は入れ替えます
・玄関から直接中が一望できるプランは避けられるので、一望できない計画とします。
・洗面化粧台等水回りの雰囲気は重要なので、デザイン性の高いものを選択します。
・収納は充実する傾向にあるので、ゆとりある収納を設けます。
・キッチン、洗面への給湯はニーズが高いので給湯できるようにします。
・デザイン性の高い家具が映える器としての住戸が求められているので、器自身の意匠性は強く出ず、インテリアの背景となるように配慮したデザインとします。
・デザイン性とメンテナンス性の両立を目指し、Pタイルの床、AEP塗装壁によりデザイン性を高めつつ、メンテナンスが低廉に行うことができるように改造します。


以上の提案により実現する、具体的な空間イメージをCGで作成し、プレゼンテーションを行いました。その結果、所有者が提案内容を了承し、リノベーションを行うことになりました。

基本的には提案内容は全面的に採用していただけました。
玄関から直接中が一望できるプランは人気がないので扉を設けましたが、デザイン性の高さと明るさを演出する為に、フロストガラスを入れた天井までの背の高い扉を採用しました。

収納量を十分確保するために、リビングダイニングには天井までの扉付きの収納と、電話代を設置しました。


寝室とリビングの間は天井高さまでの背の高い建具で仕切りました。
少しでも空間を広く感じることができるように、厚手のワーロン紙を挟み込み光を通す障子のような建具を天井から吊おろし、出来る限りメンテナンスが必要ないように配慮しました。
従前の天井はすべて取り払い、コンクリート面のままとし、天井の高さとコンクリートの素材感によってデザイン性を演出するとともにメンテナンスがいらないように配慮しています。


外壁面の内壁には構造用合板にオイルステインを施しました。
仕上げを安価におさえると共に、メンテナンスが簡単に行えるように配慮しています。
ウォークインクロゼットへの入り口の扉は枠無の吊構造とし、デザイン性を演出するとともに、コスト削減を行いました。


隣接住戸との戸境壁は白色のAEP塗装とし、デザイン性を高めつつ、日焼けしにくく、汚れた場合でも上塗りすることで簡単に対処できるように配慮しました。
天井には配線ダクトを設置し、入居者の住み方や好みに応じて照明を設置することができるようにしました。


洗面化粧台は一般的なマンションで採用されているものではなく、デザイン性の高い陶器製のシンプルなものにしました。この洗面化粧台は当初コストが安いだけでなく、扉のあるものに比べて壊れる可能性が低いのでメンテナンスコスト低減に繋がります。


便器に関しては、従前のものがそのまま使えたので、清掃のみ行いました。
トイレの壁面や既存パイプは、AEP塗装を行いました。


老朽化した浴槽が設置されていたので撤去し、ユニットバスを設置しました。


以上のリノベーションを、約300万円で行いました。
築30年以上を経過し、当初のまま利用されていた水回りをすべて撤去し、スケルトン状態から全面リノベーションを行ったことを考えれば高くないのではないでしょうか。
このリノベーションを行った結果、従前状況では家賃6万5千円で半年以上入居者が決まらなかった所、リノベーション後は家賃10万円で速やかに入居者が決定しました。