現在、キューブは北野山本地区におけるコーポラティブハウスとしては第3弾となる、神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡの参加者募集を行っております( http://www.cube-3.co.jp/yamamoto2_top.htm )。
ここでは、神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡのすぐ近くで、昨年10月に竣工したコーポラティブハウス、ル・パッサージュ北野(プロジェクト名称:神戸北野・山本通コーポラティブハウス)の事業内容についてご紹介いたします。
アンビエンテ北野(プロジェクト名称:北野町コーポラティブハウス)の竣工に伴い、キューブのオフィスも神戸市中央区磯上通2丁目のワールド三宮ビルから現在地に移ってきました。
アンビエンテ北野を紹介する際にもご説明しましたが、北野・山本地区は地域活動が活発だと聞いておりましたので、新しい住宅開発事業に対する地域からの反発を懸念していたのですが、非常に好意的にコーポラティブハウスを受け入れていただきました。
http://cubecooperative.blogspot.jp/2012/07/blog-post_04.html
キューブは北野に移転以来、自治会活動等にも積極的に参加し、出来る限り地域との関わりを大事にするように努めてきましたが、地域の事を知れば知るほど、この地域の特殊性と魅力を実感しております。
この地域は異人館街のある観光地として、今や全国的に知られていますが、京都や奈良のように寺社仏閣のような具体的な観光対象があるわけではなく、観光資源は単なる住宅地です。単なる住宅地ですが、その住宅地の雰囲気がエキゾチックで魅力的なので観光地化しているにすぎません。そういう意味では、観光地化するほどに、魅力的な住宅地であると言えます。このように、住宅地の雰囲気が観光対象となっている観光地は、他にはほとんど無いのではないでしょうか。
この地域は明治の開港以来、外国人と共存する閑静な住宅地でしたが、約30数年前、NHKの朝の連続テレビ小説「風見鶏」の舞台となり、エキゾチックな地域の魅力が全国に知られたことで一気に観光地化しました。それから30年以上経過し、今では国内に留まらず、海外からも多くの観光客がこの地域を訪れています。
北野・山本地区は、地域の自治会と商業者組合、婦人会等からなる「北野・山本地区をまもりそだてる会」という組織を30年以上にわたり運営しています。
http://kitano-yamamoto.com/
当初は急増した観光客による観光被害対策を中心に活動していましたが、住宅地としての魅力、観光地としての魅力、商業地としての魅力等、地域の持つ様々な魅力をまもり育てる運動を継続して活発に行っています。
この組織が中心となって、毎年ゴールデンウィークに地域住民等のボランティアにより北野坂に大きな花絵を描く「インフィオラータ」の開催も継続10年を超え、今や地域の風物詩の一つとなっています。http://www.infiorata-kobe.net/
実際に地域の一員となって最も驚いたのが、これほど都心でありながら、まるで田舎のような地域コミュニティーが生きていることです。この地域には外国人居住者も多く、就労形態も多様ですが、お互いに差異を認め合い、共存する環境があたりまえのような価値観が共有されています。そのことが、大都心でありながら、今でも田舎のような地域コミュニティーを生かし続けているのかもしれません。
当地域が学校区であるこうべ小学校は、公立の小学校でありながら多くの国々の児童が集い、国際感覚にあふれ、地域との関わりも活発です。
こうべ小学校HP:http://www2.kobe-c.ed.jp/kob-es/index.php?page_id=0
こうべ小学校PTA:http://kobeepta.blogspot.jp/
様々な魅力的なショップや飲食店も多く、ミシュランに掲載されているレストランの数は徒歩圏内だけでも20店を超えます。
このような魅力的な地域で、アンビエンテ北野に続く、新たなコーポラティブハウスを企画したいと常々考えておりましたが、なかなかコーポラティブハウスに適した事業用地を見つけることができませんでした。そんな中で、山本通2丁目の商業地域で、わずか43坪の土地が売りに出されている情報を見つけました。敷地面積がわずか43坪とはいえ、商業地域なので許容容積率は400%と高く、商業地では容積率を消化する前提で土地評価される為に、低度利用では土地評価に見合った事業を構築することができません。従って、1戸建てにするには土地価格が高すぎ、ディベロッパーがマンション計画するには敷地面積が小さすぎ、従前は時間貸し駐車場として利用されていました。このように、住みたい人が多くいる魅力的な地域にありながら、一般的な事業手法では事業化が困難な状況でした。しかし、立地といい、規模といい、コーポラティブハウスにはピッタリと言える土地でした。
プランニングしてみると、各階に専有面積約70㎡の住戸がワンフロア1戸づつ積み重なり、最上階に約100㎡のメゾネット住戸の、計7戸の計画で、ほぼ許容容積率を消化できることが確認できました。この計画を元に事業計画を構築し、募集を開始することになりました。
募集は、キューブのホームページへの掲載( http://www.cube-3.co.jp/coopera_yamamoto.htm )と、周辺地域へのポストカードの配布のみで、全住戸参加者が確定しました。募集時の反響は大きく、予想していた以上に、この地域の居住ニーズの高いことがわかりました。
1フロア1住戸が基本なので、いずれの住戸も都心とは思えないぐらい、明るく風通しの良いすまいを実現することができました。
各階の窓を見ると、内部プランが様々であることがわかります。
窓が多く、開放性に溢れ、低層階でも明るい住まいが実現しました。
可動間仕切りなどで、間取りに可変性を与え、住み方の変化に対応できるようにしました。
中間階のメゾネット住戸 |
実際募集を開始してみると、より広い専有面積の住戸を求められる方々が少なくなく、一方より小さな専有面積の住戸を求められる方もおられました。そこで、中間階の一部屋を上下階で連結しメゾネットとすることで、85㎡程度の住戸や55㎡程度の住戸に変更し、具体的なニーズに対応しました。
この壁の向こうは、下階のメゾネット部屋 |
また、和室のニーズにも応えました。
オブジェのように、空間と一体的にデザインされたオーダーキッチン。
スピーカーやプロジェクター、スクリーンを実装した、シアタールームのある住まい。
都心居住を希望される方々の、様々な多様化したニーズに応えることができました。
このようなニーズは、まだまだ潜在的に存在すると感じております。
今回、あまり期間を開けることなく、新たに神戸北野・山本通コーポラティブハウスⅡの参加者募集をスタートすることができた事を、非常に喜んでおります。
http://www.cube-3.co.jp/yamamoto2_top.htm
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