2013年4月5日金曜日

街なか居住のすすめ:5


地方都市においても、大都市が都心回帰に向かった本質的背景は同じです。
車に依存し続ける生活はいつまでも続けることは困難ですし、オールドニュータウン問題はいずれ顕在化します。まだ顕在化していないのは、大都市に比べて郊外住宅団地の開発年次が新しいだけです。

街なかが衰退してしまう前に、再生が求められています。
一度衰退しきってしまうと、そこから再生する事は非常に困難です。

高齢者や子供も安心な「歩いて暮らせる街」をつくらなければなりません。
職場と住まいが近く、車に依存しない暮らしが求められています。
街なかがコンパクトにまとまると、一人あたりの行政コストを減らすことにもつながります。
街なかであれば、既存の社会資本(上下水道、各種施設)を有効利用することが可能です。
福祉他の様々な公共サービスの効率化をはかる事も可能です。
このままドーナツ化が進み続けると、行政が支えきれなくなる時期も、あまり遠くありません。
また、街の顔は、その街の歴史に築き上げられたものあり、都市の文化の象徴です。
そんな街の顔も、街なかが衰退してしまうと失われてしまいます。


鳥取市と独立行政法人建築研究所が行ったアンケートの結果を見ると、街なかに住みたい人が約2割程度もいることがわかりました。その理由として挙げられたのが、買物、通院、通学に便利、教育、文化施設が充実しているというものでした。
鳥取市の街なかは、まだ2割もの人々が住みたいと考えるだけの魅力があることがわかりました。
これは、昭和40年頃に、実際に街なかに住まれていた割合に匹敵する割合です。
街なかが衰退してしまい、魅力がなくなってしまう前に手を打てば、まだ再生への可能性が残されていると言えます。これは、大きな希望です。しかし、今何も手を打たずに状況に任せていると、遠からず再生への可能性が失われてしまう、危機的状況でもあると言えます。

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