2013年4月18日木曜日

街なか居住のすすめ:16

今回のモデル事業で、鳥取市の街なかに定期借地のコーポラティブハウスが誕生したことは非常に重要です。しかし、これをモデル事業で終わらせるのではなく、民間に波及させていく事が、さらに重要です。

最初に説明したように、地方都市の街なかを再生する事は待ったなしの状況です。
何もしなければ、近い将来には取り戻すことができない所まで衰退が進んでしまう事でしょう。
ここでご紹介した事業等を参考に、鳥取市の街なかの土地所有者の方や宅建事業者、建設業者や設計者の中から、具体的な事業に取り組む方が出てくることを心から願っています。

最後に、街なかにおける事業の最新事例をご紹介します。
 これはコーポラティブハウスではなく、一般分譲事業です。
先程ご紹介した、宇多野コーポラティブハウスや鳥取西町コーポラティブハウスは、定期借地権の原契約に増改築に対する制限を加えることにより将来の安全性を担保し、一団地申請を可能としていました。
現在、京都で進めている事業は、定期借地権ではなく所有権で、同様に一団地申請を行っています。ここでは増改築に対する制限を、区分所有法により行う事でクリアしました。
このように、街なか居住に向けた工夫の余地は、まだまだあると思います。
工夫次第で、街なか居住の魅力を、より引き出すことも可能であると思います。





今後、街なか居住をより推進してくためには、魅力的な街なかライフスタイルの普及・啓発が必要です。そして、値ごろ感のある住宅供給をしていかなければなりません。さらに魅力的で多様な住宅供給も必要です。そして、良好な住環境を実現していかなければなりません。これらを実現するためには、資本が無くても事業化できるコーポラティブ方式は有効な手段の一つです。しかし、まだまだ事例としては少なく、広く普及していく為には、公的支援の推進も必要です。



しかし、本当に必要なのは、現在の状況を理解し、確実に迫りくる未来に対する危機感を持って、自ら行動しようとする一人の力です。
現状を嘆いていても、行動が伴わなければ、未来は何も変わりません。
自ら行動する事が、唯一、明るい未来に繋がる道であると思います。

有史以来、人口増加し続けてきた日本がこれから突入する人口減少時代は、歴史的にも経験したことの無い世界です。おそらく、今までの常識が、すべて裏返るほどの価値観の転換を私たちは求められることになるでしょう。 そんな時代の入り口に私たちは今立っていると認識することが重要だと思います。

鳥取市公式ウェブサイト「街なか居住のすすめ ~土地活用と街なか暮らし~」
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1365467290057/index.html

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