2013年4月9日火曜日

街なか居住のすすめ:8


こちらは、築年数の古い賃貸マンションを、4人兄弟で法定相続された案件です。
立地は非常に良かったのですが、築年数が古いため、賃料を下げてもなかなか借主がつかない状況になっていました。
さらに、和式トイレだったり設備内容が現代的ではなく、少々リフォームした所で状況が改善したり、投下資金が回収できる目途がたつような状況でもありませんでした。
4人兄弟は遠方に住まれているため管理に困り、ご長男様が転居してきて管理されていました。
そんな状況の中で、従前の賃貸マンションを建設した工務店を通じて相談がありました。
基本的には、ご長男は先祖から引きついだ土地なので、所有し続ける義務があると考え、その地に住み続けることを希望されていました。
しかし、他のご兄弟は、売却して換金し、兄弟で分けることを希望されており、兄弟間で方針が定まらない状況でした。
そこで、等価交換を活用してマンションを建設し、ご長男はそのマンションを取得し、他のご兄弟は売却金を按分する提案を行いました。
結果的には次男様も事業に参画されることになりましたが、ご長男とは別区画を取得され、将来的に分離処分できるように権利関係を整理しました。

このように、等価交換事業により、親族間で共有している土地・建物の権利整理を行い、権利者毎に分離処分できる状況に置き換えました。将来二次相続が発生した場合にも、権利がより細分化することなく、住戸単位で整理がつくようになりました。

街なかには、相続対策を見据えて、かつて、賃貸マンションを建設された方々も少なく無いと思います。しかし、長い年月の間に、間取りや設備のニーズが変わってしまい、そのままでは借主が入らなくなっている案件もあることと思います。しかし、少々資金投下してリフォームした所で、投下資金が回収できるだけの人気が得られるかどうかわかりません。しかし、現状維持では借主が入らなく、保有コストが収益を上回ってしまう状況にもなりかねません。

そこで、、本プロジェクトのように、等価交換を活用して区分所有マンションに建て替え、従前資産評価に応じて住戸を所有するという方法が考えられます。このようにすると、複数住戸を所有する事ができ、将来二次相続が発生した場合にも、物納したりする方法も住戸単位で可能となります。通常は複雑な権利関係の解消は土地売却して現金で按分する方法しかありませんでしたが、このようにすれば、希望に応じて権利整理をすることが可能となります。

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